こんにちは。税理士の田尻です。
今回は消費税のインボイス制度について。私の考えを話したいと思います。
話すと長くなりますので、何回かにわけてお伝えしたいと思います。
インボイス制度ってなんなの?
① 導入されたいきさつ
消費税が8%、10%と、どん・どーん!とアップしましたよね。その時政府はあることを危惧しました。
みなさんは商品購入の際、消費税を払っていますが、事業者の方はもらった消費税を全て納めているかというと実はそうではありません。
「免税事業者」といって消費税の申告・納税が免除されている事業者の方がいらっしゃるからです。
これは法律で認められています。いわば「節税」です。
当初消費税は3%からスタートしましたが、5%、8%、、、そこまではまだ良かったのですが、10%になると、いよいよこの免税事業者が納めなくてよい消費税の総額が大きくなってきました。
その額は6,000億円を超えると記憶しています。
② そうだ!免税事業者にも消費税を納めてもらおう
これから先、きっと消費税はさらにアップしていくでしょう。(嫌ですが)
そうなると、6,000億円がさらに膨らんで1兆円とかになってしまうんでしょうね。
なので、
「そうだ!だったら免税事業者も消費税納めてもらえばいいんじゃね?」
・・・と考えて導入されたのがインボイス制度なのです。
③ だから、インボイス制度は個人事業主の方に厳しい。。。
いままで消費税の申告・納税が免除されてた方って、売上が小規模、利益がカツカツで、その金額で生活されている方だったりします。
その方々がこれから消費税払ってください、となるとたまったものではありません。
生活を切り詰めて消費税を払うのか?・・・そもそも「預かり金」なのだから、、、という意見もありますが、心情的にやっぱり厳しい。
経過措置があるのですが、やっぱり解決にはならない。本当に厳しい制度。。。
④ インボイス制度のもう一つの問題
インボイス、平たく言えば「請求書」です。
正しい「請求書」じゃないと消費税の取引を認めない!ってなっているのですが、この請求書の作成や、もらう方の請求書の管理が、まぁ大変!!ただでさえ大変な記帳が益々大変になってしまい、どうしたらいいの?と、なっている方がいっぱいいます。
本来、政府が考えた「だったら免税事業者に消費税を払ってもらえばいいんじゃね?」なら、インボイスっていうややこしい請求書を作成しないといけない制度をつくるのではなく、
免税となる金額を今の1,000万円から下げて、例えば売上500万円にする
とか、
簡易課税をやめる
とか、
方法はたくさんあったと思うんですよね。
どうも日本政府って、ややこし方へ議論をもっていき、意図的に本質を見えにくくしているのではないかと思ってしまいます。
2024.09.19